Features and Benefits of DOT Coating
防腐・防蟻のDOT処理の特長と効果
今、なぜ防腐・防蟻はDOT処理なのでしょうか?
DOT(Disodium Octaborate Tetrahydrate:八ホウ酸二ナトリウム四水和物)は、揮発・分解しないホウ酸塩を有効成分とした安定した無機物です。
防腐・防蟻剤としてオーストラリアで1930年代から、アメリカでは1980年代か採用され、またシロアリのいないカナダ、北欧、ニュージーランドでも防腐処理剤としてDOT処理が行われるなど、防腐・防蟻処理剤として世界標準となっています。
日本での普及は、最近で2011年にDOTが表面処理用保存剤として認定され、品確法、日本住宅性能表示基準の劣化対策等級3をクリア。DOT・リノベーション協会では、防腐・防蟻剤としてDOTを推奨しています。
【DOT処理の特長】
日本で多く使われてきた農薬系の防腐・防蟻剤と比べて、DOT処理には以下の特長があります。当協会ではDOT処理を推奨しています。
安全で人にやさしい
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急性経口毒性が低く食塩と同程度
有効成分「ホウ酸塩」の急性経口毒性はとても低く、食塩と同じ程度です。万一体内に入った場合でも、腎臓の働きにより尿として体外に排泄されます。ホウ酸やホウ酸塩は除菌などの効果があり、身近なところではコンタクトレンズの保存液や目薬などにも使用されています。
揮発によるシックハウスの心配がない
シックハウスを起こす化学物質の一つに、ゆるやかな揮発により防腐・防蟻を行う殺虫剤が上げられています。同じくシックハウスの原因となるカビやダニによる室内空気の汚染対策のための防腐・防蟻剤が、シックハウスを起こすとは皮肉としか言えません。
DOTは、揮発・分解することがなく空気を汚すことがありません。ゼロエネルギーハウスなど高断熱・高気密化が進む住宅でも、シックハウスの要因とならないため、妊婦さん、乳幼児、ペットのいるご家庭でも安心してお使いいただけます。
長期間効果が持続
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DOTのもとは、元素記号Bで表されるホウ素で、天然には酸素と結びついてホウ酸塩として存在します。DOTは、安定した無機物であるため、揮発・分解によって効果を失うことがなく、流水に晒されたり地面に接していたりといった湿潤環境でない限り、効果が減衰せず、長期に腐朽や虫害への予防効果が持続します。
ただし、処理液中のDOT濃度が低いとシロアリの被害を受けるリスクが高まります。適正濃度(18%以上)でDOT処理することを推奨します。
例えば、日本で広く使用されている農薬系の防腐・防蟻剤は揮発することで効果を得るのですが、環境保護の観点から5年以上効果が持続する薬剤の使用は制限されています。農薬系の防腐・防蟻剤では、5年毎の再処理が必要となりますが、DOT処理なら定期的な再処理は不要、メンテナンスの費用が大幅に節約できます。
【DOT処理の効果】
防蟻・防虫性(食毒)
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シロアリや食材性甲虫(キクイ ムシ)などの体内にDOTが入ると、栄養分をエネルギ-に変換する代謝を阻害することで餓死させ、木材の被害を強力に抑制します。
ゴキブリやゲジゲジ、ムカデ、ヤスデなど衛生害虫や不快害虫に対しても同様の効果があります。
外来種「アメリカカンザイシロアリ」
在来種のシロアリは地中から侵入する種が多く、防蟻対策は地上から1m程度で十分でした。しかし最近では飛翔して屋根裏から侵入する外来種のアメリカカンザイシロアリの被害が全国で発生しています。対策には家全体の木材を処理が必要ですが、安全で効果的なDOT処理が効果的です。
ゴキブリやゲジゲジ、ムカデ、ヤスデなど衛生害虫や不快害虫に対しても同様の効果があります。
ヤマトシロアリ
防腐・防カビ性(接触毒)
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腐朽菌やカビ菌が育つためには、水分や温度、酸素、栄養分が必要です。木材を腐食させる菌類などがDOTに接触すると、菌類の細胞内に拡散。DOTと細胞内の補酵素が結びつくことで栄養分をエネルギーに変える代謝を阻害することで死滅させます。
【DOT処理と農薬系薬剤処理】
- DOT処理
1. 分解されない無機物
2. 効果が長期間持続
3. シロアリの食害を抑える
4. 不揮発性で空気を汚染しない
5. 腐朽・虫害の予防に適する - 農薬系防腐・防蟻処理
1. 揮発・分解する有機化合物
2. 効果の持続が最長5年間
3. シロアリを積極的に駆除
4. 揮発成分でシックハウスの危険
5. 駆除に適するが予防効果は5年以内